千歳館主屋 [山形]
「米沢牛」といえば、山形県が誇る黒毛和牛の一流ブランドである。
味は良いが、値段も高い!
一方、県内産の黒毛和牛を総称して「山形牛」と言うらしい。
「味の山形牛」と評判で、こちらは値段も手ごろ。
肉質は、「ぎゅう」っと締った霜降りが特徴である。(笑)
山形で山形牛を食べるなら、このお店。
「日本料理 千歳館」
なんて、宣伝するわけではありませんが、前回のステーキ丼の写真はこのお店のもの。
あくまでも目的は建物ですが、写真を撮るためにしばしば中へ入って食事をすることもある。
決まって安いメニューを頼むが、今回はこれが一番安かった。(笑)
好評につき、再UP!
★
千歳館主屋。
大正4年(1915)竣工。
設計・施工は不詳。
木造2F建て。
★
明治9年、山形市内で代々魚問屋の「五十集屋」(いさばや)を営む、初代澤渡吉兵衛(さわたり きちべえ)さんが、「さわたりや」を開店したのが店の始まりだという。
いいですか。
「さわたりや」です。
「さわったりや」ではありませんので、くれぐれもご注意願います。(笑)
明治19年、第三代山形県知事・柴原和(しばはら やわら)が、「千年の歳月が流れても栄え続けるように……」と願いをこめて、店の名を「千歳館」に改めたという。
さすが、やわらちゃん、千年先を見据えていたとはすばらしい!
多くの政治家が集まってどんちゃん騒ぎ、さわったり……、いや、それはそれは大層な繁盛をしたと伝えられている。(笑)
★
ところが明治44年5月8日、山形市の多くを焼失した大火があり、千年どころかたった25年で「千歳館」は焼失する。
ちなみに5月8日は宗男の誕生日ですが、この火事に何の関係もございません。
大正4年(1915)、二代目さわったり、いや、澤渡吉兵衛さんが現在の建物「鹿鳴館調の料理店」を再建した。
店の角にカフェレストランを併設したというから、なるほど鹿鳴館華やかし頃の栄華を極めた高級料亭として現在に至っております。
そのカフェの入り口がこれです。
ドリス式オーダーに白い磁器質タイルを貼るという、弱虫には絶対真似できない冒険をしております。(笑)↓
★
デザイン的にまったく統合感がなく、ゴテゴテとしたデコレーション、奇抜な彩色といった、三拍子揃い踏みの見事な擬洋風である!(笑)
いや~、ほんと、擬洋風の醍醐味(だいごみ)とは、まさにこのことだ。
ん? (そだいごみ)ではありませんよ。お間違いなく。(笑)
とにかく、なにがすごいと言ったって、これだけいいとこどりのデザインはほかにない。
まずは、車寄せの驚異的なデザイン!
柱はルーブル宮殿顔負けの双柱のオーダーで出迎える。
そして、一見バロックかと思いきや、ゴシック風のハンマービームに恫喝され。
しかもアーチは扁平アーチ。
無用なペンダントヴォールトが、これでもかっ! と威嚇している。
いや、これだけではない!
TOPの写真を見ても分かる通り、側面からみると双柱は単柱となっており、ぷっつりと柱を抜いているのだ。
おそらく、2本あると車の出入りに邪魔になるので、1本にカットしたに違いない!(笑)
また、必要もないのに、切妻の庇をさらにせり出し片持ちアーチで支えている。
そして棟の頂点には、なぜか古代ギリシャ風のアンテミオンが……。
欲張りである!
強欲である!
はなはだ、貪欲である!
おかげで、平成14年に国の登録有形文化財に指定されている。(笑)
★
外壁はブルーのアクリルリシンで、ハーフティンバー風のボーダーはベージュに塗られているのが大きな特徴。
しかも、中央が唐破風のようにうねっており、どことなく近代的なお寺さんのようなデザイン。(笑)
縦ボーダーも窓の腰壁位置でぷっつりと切られており、まったくもってこのセンスには脱帽するしかない。
横ボーダーも完全な飾りとみられ、あれ?
ベントキャップの穴があいているね。(笑)
まったく、不思議な世界である。
ファンタジーである。
幻想的である。
不思議の国のアリスでも、ここで4時間は退屈しないだろう。(笑)
★
とにかく、この建物がすごいのは、過剰なまでのデザイン要素を取り入れているにもかかわらず、その個々のデザインが控え目にならず、それぞれが全面的に主張して、まるでデザインのナイアガラの滝のように、轟々と水しぶきが周囲に飛び散っているという、まさに奇跡的な融合を可能にしたことだ。(笑)
いや、冗談は抜きに出来ないが(笑)、こんな建物に入って、おいしい山形牛を食べられるなんて、贅沢の極みである。
ちなみに宗男が入ったのこの主屋ではなく、後に増築したお店です。
いや~、主屋に入るなんて宗男の稼ぎじゃ牛年、いや十年早い。(笑)
いよっ、待ってました第二弾!
>ドリス式オーダーに白い磁器質タイルを貼るという、弱虫には絶対真似>できない冒険をしております。(笑)
それはそれは・・・かの隈研吾先生もびっくり!
いや、私も度肝を抜かれました。
千歳万歳、この建物、なんとなく、田舎の町にできたハイカラ(死語)な
駅舎みたいなんですが・・・
母屋には入らなかったということですが、じゅうたんがしいてある廊下は
新館のものなのでしょうか?
行ってみたいお店です。宝くじをあてて。
by ヴェルデ (2012-07-16 23:32)
大笑。
いやあ・・・・おかしい・・・建物確かに不思議だね。窓とかタイルの柱。風呂屋か?と思いました。
さわったり?それは脇の下をぐっと締めて発言したんでしょうね?(にやり)
でも一見パッと見は、田舎の木造学校のつくりみたいです(笑)色が結構奇抜な校舎あったから。
増設された入口の、自転車の色と手のカバー付きなのが・・・・なぜかツボ(爆)
by 月と、 (2012-07-17 17:36)
>ヴェルデさま
五千円、いや、ご声援ありがとうございます。
いや、隈研吾様なら、やりかねないことでございます。(笑)
絨毯の廊下は、主屋のものです。
宗男が硝子戸にへばりついて、中を撮影しました。
さすがに、一人では中へ入れなかったので、残念です。
もう、行くこともないでしょうし。(笑)
>月と、さま
確かに、お風呂屋さんみたいな柱ですね。
いや、わきの下締めちゃうので、さわったりはしておりません。(笑)
夏の暑い時期でしたが、なぜか自転車には真っ赤なハンドルカバーがついてました。
この辺の流行でしょうか?
それとも、末端冷え性のお方の自転車でしょうか?(笑)
by あおい君と佐藤君と宗男議員 (2012-07-18 01:16)
大笑!!駄目だって末端冷え性(笑)そっと養命酒をそのカバーに入れておきたくなるじゃないか!
今度近くで見つけたら(笑)
by 月と、 (2012-07-19 10:48)
あぁさわりたや
学校?と思いきや 当初よりお食事所だったのですね;;
なんか着色した砂糖てんこもりのお菓子のイメージが
っていうか秘宝館的な…
by 高穂 (2012-07-21 20:12)
この擬洋風はなんというか、お腹一杯になりますねー。例えてみるとカレーライスとビーフシチューとコロッケとオムライスを同時に出されたような感じです。フレンチやイタリアンと洋食が別物のように、擬洋風建築は正統派の近代建築とは別腹ならぬ別物ですね。
by opas10 (2012-07-23 22:50)
私も昔のショガッコの木造校舎を彷彿といたしました
円柱に張られたタイルが剥落せずに残っているのは
おさわり禁止の賜物でしょうか?
ブルーがとっても素敵です♪
本日、別のルートでたまたまご著書の発行を知り
さっそく購入の手配をしてまいりました
手元に届くのが楽しみですヽ( ´ー`)ノ
で、ここへ来たらサイドでアッサリ存在が・・・
ブログサボってると大切な情報を逃してしまいますね;
は~やく来ないかなぁ~~
サイン欲すぃサイン欲すぃサイン欲すぃ
宗男さま、ご著書にサイン下さ~~い!(ノд<。)゜。
by (な ̄▽ ̄お) (2012-07-24 23:59)
>月と、さま
たしかに、真夏のハンドルカバーちゃりんこの持ち主は、養命酒が手放せないかも?
いや、ハンドルだけに、手放すわけにはいきませんね。(笑)
>高穂さま
おお!
学校というより、確かに秘宝館に近いですね。(笑)
♪熱海の~海岸~散歩する~♪
高穂さまも、お好きなようで。(笑)
>opas10さま
そうそう、おなかいっぱい。
でも、山形牛ステーキ丼は、おなかいっぱいになりませんでした。(笑)
金平糖みたいな色で、食べたら甘そうですよね。
>なおさま
尚さまも、小学校のイメージでしたか?
こんな派手な小学校に通ったら、随分色好みに育つのでしょうね。(笑)
御買い上げ、ありがとうございます。(ぺこり)
大人向けの本ですので、コモモや、小さなお子さんの前では、取扱いにご注意ください。(笑)
サインなんてないほうが、古本屋に高く売れます。
まじで。(笑)
by あおい君と佐藤君と宗男議員 (2012-07-26 02:37)
お久し振りで~すvv
大分ご無沙汰致しておりました
以前からご訪問頂いて居りました方々も この処すっかり疎遠
突然更新なさらなかったりと 個人的な都合で中断なさって居る様です
今回久し振りにご訪問頂き大変驚いてしまいましたが
とても嬉しく思いました。拙い私の記事にも関わらずコメント迄頂きまして
ありがとうございました
只今懐かしく拝見致してて 相変わらず機知に飛んだ楽しい内容に
楽しめました 叉 お伺い致します ヨロシクです。
by まつみママ (2012-07-26 12:36)
>まつみママさま
こちらこそ、大変お久しぶりです~。
なかなか時間が取れなくて、長い間放置しておりました。(笑)
申しわけございません。(ぺこり)
まつみママさまのブログは、前にもまして充実しておりますね^。
また、お伺いいたしますので、よろしくお願いいたします。
by あおい君と佐藤君と宗男議員 (2012-07-27 23:27)
宗男議員は、火事男でしたか。
最後の写真の、おばちゃんが乗るような自転車
ハンドウォーマーも付いて、渋いですね。
by 八犬伝 (2012-07-28 14:31)
あり?! 確かにこの記事読んだはずなのに、
なして、コメもnice! もしてないんだべ、二兎??
函館公会堂もビックリな色合いだぬ(-ω-;)
自転車のハンドルカバー懐かしいぬ。
一昔前のじっちゃやばっちゃのチャリには標準仕様だったぬ。
by 二兎丸 (2012-07-29 18:23)
>八犬伝さま
いや、火事男ではないです。
どちらかと言うと、家事男です。
いや、ウソですけどね。(笑)
ハンドウォーマーというのですか?なんだかカッコいいですね。(笑)
>二兎丸さま
ナイス押したつもりが、押していなかったってことはよくありますね。
宗男は、最近、昼ご飯を食べたかどうかも忘れてしまいます。(笑)
函館公会堂!
おお!
つうでございますね。
確かにあれよりも、派手派手でございます。
by あおい君と佐藤君と宗男議員 (2012-07-30 01:22)
母屋と増築のお店ではそんなにお値段が違うのでしょうか?^^;
相変わらず楽しい宗男節に久しぶりに吹いてしまいました^^;
私としてはぜひ宗男師匠に「登録有形文化財」になって
いただきたく・・・o(^^)o
by かふぇおれ (2012-08-13 00:07)
>かへおれ、いや、かふぇおれさま
おお、お久しぶりでございます。
お元気でいらっしゃいましたか?
そうそう、本館で食べるなぞ、宗男にはそんな甲斐性はございません。
えっ!
宗男が登録有形文化財ですか?
どうせならば、登録無形文化財がよろしゅうございます。(笑)
by あおい君と佐藤君と宗男議員 (2012-08-21 23:41)
>どうせならば、登録無形文化財がよろしゅうございます
いわゆる人間国宝ってやつでしょうか?
宗男議員のダジャレは国宝級だと思います。
人間国宝…私は人間国宝の吉右衛門丈ならびに播磨屋一門を
応援しております。初代も吉右衛門丈の実父もごひいきだったという
新井旅館に泊まってみたいです。
by ヴェルデ (2012-08-22 00:50)