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日本基督教団富士見丘教会 [東京]

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荒井由実の歌に「ベルベット・イースター」という曲があった。


なんでも小雨の朝に、ベルベットを着てイースターに出かけると、空がとっても低く、むかしママが好きだったブーツが、窓に一杯飾ってあった……


……というような歌詞だった。




いや、すみません。

全然、違う歌詞でしたね。(笑)

もし、ユーミンファンがおりましたら、たいへん失礼いたしました。



と言うわけで、今日はエイプリルフール、いやキリストの復活祭でございます。

宗男は特別な宗教に入っているわけではございませんが、前回に引き続き、近くにある教会をUPしてみようと思います。




日本基督教団富士見丘教会

竣工:1936年(昭和11年)

設計:加藤俊一(教会員)

施工:同上

構造:木造2階建て

場所:世田谷区代沢2-32-2(教会なので、住所もお知らせね)

※国登録有形文化財2003年(平成15年)




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今日が復活祭だと知ったのは、教会のお庭で大勢の皆さんが賑々しくお祝いしていたからです。


満開の桜の花の下、お子さん連れのご夫婦や、外人さん(つい、外人と一括りしてしまいます)、老若男女(たくさんの人という意味)、皆さん音楽を奏でながらワイワイ、イースターを楽しんでおられました。


そんな光景を尻目に、宗男は一人建物の写真をバチバチ。


はたから見ると、確かに変な人ですね。(笑)



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しかしこの建物、プロテスタントの教会堂らしく質素で簡潔ではあるが、なかなか趣向を凝らした興味深い建物である。


まず目につくのは「バラ窓」を模した「バラ壁」のトレサリーである。(笑)


いや、予算がなかったんだと思いますが、きっぱりと彩光をあきらめて、デザインのみに集中するところが潔い。


十字架も、ステンレスの角パイプで出来た簡易なものであるが、確かにこれで教会の機能は十二分に果たしている。


玄関の塔は、バトルメント(のこぎり壁)の付いた中世の城郭風で、バラ窓との組み合わせに、激しいめまいを感じる。(笑)


バトルメントとは銃眼付きのパラペットのことで、中世のお城ではここに隠れて敵に鉄砲を撃つという、どうにもきな臭い代物。


それでも、形だけを見るとおしゃれで、ロマンチックなのである。


お城と言えば、やっぱりこうじゃなくちゃね。(笑)


そして、その下には便所の壁が見えるのですが、こちらは打って変わってル・コルビュジェ風の横連想窓。


まったく以て、近代的である。


そう、宗男は「本格」よりも「変格」が好きである!


「正統」よりも「異端」が大好きなのである!!


設計者は教会員の加藤俊一さんという事であるらしいが、ほぼ無名の建築家なのであろう。


これが、大御所の辰野金吾であったならば、これほどまでに痙攣的なデザインは出来なかったに違いない!(笑)



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特筆するのは、内部のデザインである。


トラス構造に見せかけた、束立ての二重梁構造ともいうべきか、並行弦トラスから斜材を抜き取って、おまけにハンマービームを組み合わせている。


アプスと呼ばれる祭壇部分は、尖頭アーチに船底天井(?)のコラボレーション。


ゴシックである!


いやあ、まったく眩暈がする! 


何とも言えぬ、ハイブリットで、和洋折衷で、本格では味わえない独特の妖しい雰囲気を醸し出している。


正に、見よう見まねのすご技だが、2002年には耐震改修を済ませ大幅にしているという事なので、構造的には安心ですね。



 


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ブドウのステンドグラスも、竣工当時のものだという。


柱頭は、何の花だろうか?


蝉の羽に見えなくもないが、これは宗男の錯覚であろう。(笑)



復活祭で忙しい中、教会の田所牧師さんに、親切に案内していただきました。


明らかに場違いな変な人が写真を撮っているんだけど、優しくご対応していただきました。


いろいろと貴重なお話も聞けて、大変勉強になりました。


ありがとうございます。 


おまけにイースターの卵もいただきました。


むかしは、これにいろんな絵を書いたりしたんですが、今は可愛らしいビニール袋に詰めてあるんですね。


 


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というわけで、宗男のベルベット・イースターでした。


 


 


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コメント 5

まつみママ

コン二チワ~~~ (*^^)v
あらら~確りと・・オリコウサンニ・・記事更新なさりましたね(笑)
今回の教会 中々雰囲気的にお洒落な建物とお見受けイタシヤシタ‼(笑
外壁の 色合いが ピンク! と言う所が良い
私も以前海外の旅でもお城とか教会等 見て廻るのが好きで
良く立ち寄って来ました
フランスでは パリの郊外まで車走らせて塔巡り等々しましたが
此の処 すっかり疎遠となって仕舞いました
何時か又 機会が訪れたら 行こうと思ってます。
これからも又 無理せずにこの様な記事更新なさって下さい
 
by まつみママ (2018-04-03 12:07) 

高穂

おぉっ
連続更新ありがとうございます>_<

ガワはハリボテ感すごいけど
中は素敵ですー*
天井、何故かアフリカとかお蚕様飼って
(紡績工場とかじゃなくって)いそうな
雰囲気も感じたりなんかもあったりだけど、
優しく光が回り込んでて
穏やかな集いが有りそうですー*

by 高穂 (2018-04-03 13:38) 

八犬伝

花祭りでくるかと思えば
こちらでしたね。
by 八犬伝 (2018-04-03 21:20) 

あおい君と佐藤君と宗男議員

>まつみママさん
おお、海外のお城・教会回りがお好きですか。
いいですね~。
宗男は、海外は北海道にしか行ったことがございません。(笑)
やはり、本物を見慣れたお方の目は鋭い!
まつみママさんも、面白い記事期待しております。
このところ、ひとさまのブログを除く余裕が出来てきました。
いや~、ほんの少しですが。(笑)

>高穂さま
アフリカですか?
す、すごい発想です。(笑)
宗男には、思いもつきませんでした。
それにしても、高穂さまのブログ、臨場感が溢れていて、とっても緊張いたします。
今回は、腕のない人がいたりして……
あと、ピーポー君は、もしかして夫婦なんでしょうかね?(笑)
by あおい君と佐藤君と宗男議員 (2018-04-03 21:30) 

あおい君と佐藤君と宗男議員

>八犬伝さん
いやー、花祭りにはちょっと早かったんで。(笑)
このところ、イースターがクリスマス並みに大盛況だそうですが、あんまり大騒ぎするのもどうかと思いますね。
ここの協会では、ひっそりと、そして、賑々しく歌などを歌って楽しんでおりました。

by あおい君と佐藤君と宗男議員 (2018-04-03 21:37) 

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