ハリストス正教会復活聖堂 [函館]
新年早々、フォトのプロフィール画像を変更した。
今までのが不評だったゆえ、心機一転!
とばかりに変えて見たのだが、これまた大不評!! (泣)
いっそのこと、現在の顔をUPして見ようかっ!
とも思ったが、そうなるとブログ大炎上は必至なので、さすがに理性が働いてしまいました。……(笑)
ここの画像は、変えずにそのまま残しておきます。(今のところ)
☆
さて、元町カトリック教会に対抗するものと言えば、やはりこのハリストス正教会を措いてない。
前にも取り上げているが、元町界隈の、いや、函館を代表する建物であるから、まあ、何度語っても話は尽きない。
(いや、いずれは必ず尽きますので、その辺の突っ込みはご容赦願います/笑)
元町カトリック教会がフランス系ゴシック建築の代表ならば、このハリストス正教会は、ロシア系ビザンチン擬洋風建築の嚆矢である。(笑)
(笑)とあるのは、本格ビザンチン様式ではないにもかかわらず、本格以上の出来栄えだからである。
御茶ノ水に、コンドル先生の手になる日本初の本格的ビザンチン様式のニコライ堂があるが、この建物はそれ以上のインパクトがある。
ねえ、 あるでしょう?(笑)
京都のハリストス正教会と比べてみても、そのデザイン力の秀逸さが一目でお分かりであろう。……(参照1)
☆
函館ハリストス正教会復活聖堂(通称ガンガンデラ)。
竣工は大正5年(1916)。
レンガ造平屋建て。
施工は尾林利吉。
設計は、正教会お抱えの素人建築士、河村伊蔵。(なんと、現代建築の巨匠、内井昭蔵のおじいちゃんなのである)
☆
とにかく、その異様なフォルムに驚かされる。
宗男の嫌いなたまねぎドーム(キューポラ)が大小6つも付いている。(いや、たまねぎが嫌いなだけで、たまねぎドームが嫌いなわけではありません、あしからず。/笑)
平面はいたって簡潔な計画ではあるが、それを穴埋めするかのように外観は実にデコレイティブである。
八角形のとがり屋根を持つ大鐘楼は、各辺をオジイアーチ(たまねぎアーチ)で飾られ、1層部分も三辺にこのアーチが付く。
聖所(聖堂)の側壁にも、丸窓と2連アーチ窓が組み合わさったオジーアーチのトレサリーで飾られている。
宗男が幼少の頃は、この窓から煙突がにょっきり飛び出ていたのだが、さすがに観光地と化した昨今は、綺麗に取り払われてしまっている。(笑)
聖所の奥は至聖所と言って、半円の曲面壁が見事である。
それに伴って屋根も瓦棒の流線型。
このあたり、日本建築の唐破風の技術を応用したもので、匠みの技を感じさせられる。
☆
建物全体は、真っ白な漆喰でお化粧されている。
下地は煉瓦であるから、この白い部分を剥ぎ取ると、なんと赤茶けた煉瓦色が現われるのだ。
日焼けしたお肌も、これで大丈夫。(笑)
ここから、女性用のファンデーションを思いついたという噂もある。←ウソ。
ちなみに観光客でにぎわうBAY函館も、所々に白い模様を残した煉瓦が見られる。
これは、あとからファンデーションが落ちたためです。(いや、落としたためです/笑)
☆
内部を飾るイコンは、山下りんの作であることが分かっている。
山下りんは、信者にして日本で唯一の女性イコン画家である。
興味のあるお方はこちらを参照してください。↓
http://www.mars.dti.ne.jp/~machi/
函館に来たなら、ぜひともイコンを見にお立ち寄りください。
宗男もまた、イコン っと。
あれ?
↑ぽちっとね!
こんばんは! イコン画ってインコが描かれているのかと?極彩色のインコが、教会ににあいません?何にも知らなくて、 どう云う字を書くのかしら、それにしても、宗男さんはよくご存知ですね、建築がご専門ですか?(なんか探ろうとしてますね)ふふ…
by aya (2007-01-07 21:10)
その大不評だったプロフ画像は見そこなりました、残念っ!
雰囲気のいい教会ですね〜^^
雪景色っていう所がまた素敵ですー。
by (2007-01-07 21:26)
ayaさま
インコですか~?
教会とインコ画、確かに合いますね~。(笑)
英語のicon(アイコン)は、これか来たらしいですね~。
聖像画のことですよ~。
by あおい君と佐藤君と宗男議員 (2007-01-07 21:40)
TAROさん
ここだけ、山の陰になってるんで、雪が残ってるんですよ。
他の場所は、からからでした~。
面白い教会でしょう。
インコは飼ってませんが~。(笑)
by あおい君と佐藤君と宗男議員 (2007-01-07 21:42)
そのギャグ、しっかり覚えてました。(爆)
by knacke (2007-01-07 23:48)
きむたこさま
あら、覚えておいてくださいましたか。
おやじになると、いつも同じギャグを言うものです。(笑)
by あおい君と佐藤君と宗男議員 (2007-01-07 23:55)
プロフィールの
画像は迷いますよね。
by (2007-01-08 00:15)
こうちゃんさん
そうですね。
取り替えるとなると、結構悩んだりして。(笑)
年明けたから、結構変えているお方、多いんじゃないでしょうか?
by あおい君と佐藤君と宗男議員 (2007-01-08 00:21)
あけましておめでとうございます。
今年もよろしくお願いします( ^.^)( -.-)( _ _)
青い空に、白い教会が素敵ですね(^o^)
あの玉ねぎのようなのはキューポラって言うんだ。。
玉ねぎ嫌いなんだ(笑)
by poka22 (2007-01-08 00:28)
あら、rieさん
あけまして、おめでとうございます。
キューポラっていうんですよ~。
可愛いでしょう。(笑)
たまねぎ嫌いです~。
長いのも、嫌いです~。(笑)
by あおい君と佐藤君と宗男議員 (2007-01-08 00:32)
なんだかお菓子の家みたいにかわいらしく美味しそうな聖堂ですね。
半円形のカーブがすてき。
宗男議員はたまねぎ嫌いですか。
私はたまねぎ大好きです。ロシア正教の極彩色のたまねぎはあんまり好きじゃないけど…ついでにいうとプーチンのロシアもちょっとね~。
by ヴェルデ (2007-01-08 00:40)
おお、ヴェルデさん。
可愛いでしょう。
でも、食べられませんよ。(笑)
宗男は、ネギという名の付いたものは嫌いです。
じっくり煮込めば、いけるんですけど。
あっ、でも、カレーのたまねぎは好きです。(笑)
by あおい君と佐藤君と宗男議員 (2007-01-08 00:46)
半円形のカーブとかタマネギの感じとか・・・とってもいい感じですね。これはカメラのレンズはどうなってるんですか?
by 花火師 (2007-01-08 00:51)
花火師さん
こんばんは~。
ありがとうございます。
レンズは広角で、下から覗きこむように撮ってます~。(笑)
by あおい君と佐藤君と宗男議員 (2007-01-08 01:25)
おお、これはいいぞ。
ずっと昔、イスタンブルにあるギリシア正教総本山でのクリスマスミサに潜入したことがあります・・・
ビザンツの教会ってアヤソフィヤがオスマン朝のモスク建築にも大きな影響を与えたといわれているようなんですが、写真の教会とは似ていないですね。
ビザンチン様式でもいろいろなビザンチン様式があるのでしょうか?
(ぼくが専門用語を知らないだけかもしれませんけれど・・・)
by 笛寝 (2007-01-08 13:56)
笛寝さま
おお! ご質問、ありがとうございます。
ビザンチン建築の特徴は、ほとんど一つだけといってもいいんですよ。
つまり、ローマ時代に確立されたバシリカ式教会に、丸いドームの屋根を載せることなんです。
ローマ時代のパンテオンなんかも、まあるいドームになっておりますが、それは平面も円形なんです。
ビザンチンは建築は、四角い平面に、いかに丸いドームを作るか!
に、課題は絞られるんですね。
そして、ペンディンティブ・ドームというのを完成するんですが、この集大成がアヤソフィアなんです。
4つあるミナレット(塔)は、その後のイスラム時代に取り付けられたものですから、ビザンチンの特徴とは別です。
だから、御茶ノ水にあるニコライ堂なんかは、まだ本格に近いビザンチン様式(規模は小さいですが)ですね。(笑)
で、その後、サン・マルコなんかではこのドームが一つだけでなく、いくつも作られることになります。
まあ、派手になるわけですね。
そして、ロシアに行く頃には大きなドームを中心に、いくつもの小さいドームを組み合わせた形になります。
これが、後期ビザンチン建築と、建築史では定義してますね。
で、問題のハリストス正教会は、「ロシア系ビザンチン擬洋風建築の嚆矢」なのです。(笑)
ロシア正教ですから、ギリシャ正教から分かれて(?)、ロシア経由で入った宗教ですね。
つまり、後期ビザンチンに似せていながら(たまねぎドームの乱立)、ペンディンティブ・ドームもないですから、全くおかしな形なのです。
オジイ・アーチも多用しておりますが、これは、イスラム建築の特徴です。(笑)
しかし、これはこれでいたし方がない理由があるのです。
なんてことはない、設計している側も、施工している側も、ほとんど見よう見まねでしかない知識で、建物を建設しているからなのです。
設計も素人ならば、工事も素人なのです。(笑)
また、真似したくても、出来なかったのです。
これを「擬洋風」と言います。
そんなへんてこりんな建物でも、地元の住民は度肝を抜かしたのですね。
宗男は、この頃の擬洋風を、最大限に賛辞しております。
建築に携わった人間が、これほどのエネルギーと創意工夫を凝らしたことは、建築の歴史の中でも特異のものと位置づけてます。(笑)
長々と説明してしまいました。
だいたい、概要を分かっていただいたでしょうか?(笑)
宗教に関しては誤解しているところがあるかも知れません。
間違いなどがありましたなら、ご教示願えれば幸いです。
by あおい君と佐藤君と宗男議員 (2007-01-09 01:15)
一度決めると確かにプロフ写真は迷いますよね!
まだフォトに行けない日々ですが
(チラとでも行くと結局居座りたくなるので(笑)・・・しかしそれは今まだ時間が足りなそうで・・)近く見に行かせていただきます~(笑)
イコン画、山下さん拝見してまいりました。
こういった絵の中の人物には
じっと見られている気がしてならないです(笑)
by shikayu (2007-01-09 11:51)
遅れましたが、今年もどうぞ、よろしゅうお願いいたしまするぅ。
ワタクシは本日より、本格始動。また、いつもの「PCとシゴトと
時々、シュフ」な生活に戻ります。今浦島状態の休眠脳をまずは、
リセットしないとね(笑
昔、タマネギ塔の下にある鐘撞場で信者さんが鐘をつく様子を
見せてもらったことがあります。なんとも荘厳な景色でした。
土日のミサは旅行者も見学できます。あの雰囲気も独特。
神聖かつ静謐な、教会内の空気は異国のもののようで、
今でもね、時々懐かしく思い出します。函館の教会は、
建物の外側だけじゃなく、そうした空気感も見どころのひとつと思います。
by MORIHANA (2007-01-09 12:12)
shikayuさま
フォトいけないですか~。
そんなに悩む必要ないですにょ~。(笑)
山下さんのところ行って来ましたか。
すごいでしょ~。
そうですよ~。
向こうがじっと見てるんです~。(笑)
by あおい君と佐藤君と宗男議員 (2007-01-09 14:00)
MORIHANAさん
いよいよ始動ですか~。
ご苦労様です~。
今年は、この鐘の下で信者さんがくしゃみしてましたよ。(笑)
ミサをご覧になったことがあるのですね。
そうですね~。
なんか見てると、不信心な者には申し訳ないような気がして……(笑)
ここはかなり、フレンドリーですね。
by あおい君と佐藤君と宗男議員 (2007-01-09 14:05)
「ロシア系ビザンチン擬洋風建築」ものすごく可愛いですね。迷います。
迷いますが、「フランス系ゴシック建築」に軍配を上げたいです。
ここでなぜ選ばねばならぬのか、どっちも好きでもいいじゃないか!
と思いつつ、元町カトリック教会と何度も見比べてしまいました。
by (な ̄▽ ̄お) (2007-01-10 01:47)
なおさん
くらべてるんですか~?
で、勝ったほうはどうなるの~?(笑)
ちなみに、これは「居酒屋兆治」で、高倉健と大原麗子の思い出の写真で登場します。
ご参考までに。、(笑)
by あおい君と佐藤君と宗男議員 (2007-01-10 11:35)
なおさん
フランス系ゴシックの方は「夕陽の丘」で、石原裕次郎が一人坂を上って、右へ曲がるそうです。
古い映画ですが、いかがでしょう。(笑)
by あおい君と佐藤君と宗男議員 (2007-01-10 11:42)
この聖堂素敵ですね。
山下りんのイコン見に行きたいです。
linneaさんの真面目なコメントでした。w
by (2007-01-11 01:57)
linneaさま
まじめなコメント、ありがとうございます。(ぺこり)
山下りんさんは、最近、伝説的なお方になっている様子です。
by あおい君と佐藤君と宗男議員 (2007-01-11 02:03)
丁寧にご説明していただきありがとうございます。
なるほど、四角い平面に丸いドーム、なのですね。
となると、オスマン朝のモスク建築がビザンツ教会建築の影響を受けたとされるのにも納得がいきます。
オスマン朝のモスクが他の地域のモスクとは大きく異なるとされる特徴は、まさしく四角い平面の上に乗っかる丸いドームだそうですから。
で、オスマン朝の建築家の目標は、アヤソフィアのドームを超えるドームを作り上げることだったといわれていて、これはオスマン朝最高の建築家とされる16世紀のミマル・スィナンによって果たされます。晩年のセリミエ・モスクで、たしか何cmか大きい直径のドームが乗っかっているはず。ちなみにセリミエ・モスクはイスタンブルではなくてブルガリア国境に近いエディルネ(かつてのアドリアノープル)にあります。
(そういえば、夢枕獏が『シナン』(でしたっけ)という小説を書いていますね。僕はまだ読んでいないのですが)
オスマン朝のモスクにも中心のドームを囲むというか支えるように半円のドームが4つ、さらにそれを支えるようにまた半円のドームがあるというものがあります。聞いたところだと中央のドームの重さを分散させるのだとか。
なにか面白いですね。
で、時代が下るとヨーロッパの影響をうけたものがでてくる(バロックなのかな?)。細かいことはよくわかりませんが、素人が見ても外見に特徴があって、違いがわかります。
アヤソフィアもオスマン朝時代のモスクも中に入ると、とても広くてすごく落ち着きますよ(特にモスク、アヤソフィアは博物館になっているのですが、モスクではじゅうたんが敷かれていて、座り込んで上を眺めることが出来ますから。寝そべってみたいのですが、さすがになかなか・・・)
やっぱりドームのなせる業でしょうか。
東京で再建されたモスクもオスマン朝~トルコのモスク建築みたいらしいです。
擬洋風っておもしろいですね。自分たちの持っている想像力というか解釈からなんともいえないものが出てくるというのが。
正教会のところ、すみません、不正確な記述でした。イスタンブルにあるのは、(東方)正教会の名誉上の首位とされる世界総主教のおわすところです。たしか正教会はいくつかの総主教庁と各国(地域?)の独立教会からなっていたんだったと思います。で、ギリシア正教会はギリシアがオスマン朝から独立して以降できたものなので、たんに正教会の(名誉上の)総本山と書くべきでした。(総本山というのもカトリックにおけるローマみたいで問題ありな表現ですね)。
ロシア正教会が独立正教会となったのは16世紀のこと。
教義上どれほどの違いがあるのかはよくわかりませんが(同じ正教会だから教義(といういいかたでいいのかなあ)も同じだと思うのですが、典礼が違うのかもしれませんね)、コンスタンティノープルの総主教の監督下から独立して自治独立したということだと思います。
by 笛寝 (2007-01-11 12:24)
笛寝さま
わざわざ、どうも……
さすが専門家ですね。
一度、ゆっくりお話してみたいですね。(笑)
宗男は、海外へ行った事がないので、実際には本物を見たことがございません。
後年の澁澤のように、もう少し年とったら、どんどん出かけようかなぁ~。(笑)
by あおい君と佐藤君と宗男議員 (2007-01-12 16:44)
本当に素敵な教会ですね♪一度本物を自分の目で見てみたです♪
記事もすっごく興味深くて~ジックリ読んじゃいました♪
by みやび (2007-01-17 00:05)
みやびさん
おや~
こちらへおいでですか~。
ありがとうございます~。(笑)
だんなさんと、ラブラブで行って見てください~。(笑)
by あおい君と佐藤君と宗男議員 (2007-01-17 00:14)
切手になったのよね、ココ。
クリスマスの夜にこの辺をお散歩すると
アチコチの教会でクリスマスミサが行われていて、
とってもロマンちーくなの♪
by sacro-bosco (2007-01-27 15:48)
sacroさま
そうですか?
切手になったんですか?
クリスマスの夜のお散歩は、ロマンチークでいいですね。
宗男は、一度もそんな経験はないけど。(笑)
by あおい君と佐藤君と宗男議員 (2007-01-27 16:22)